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誰が見ても分かりやすい「設計・作図ルール」策定の勧め

2021/11/19

事業の生産性や収益性が上がらない――。
そんな悩みを抱えるハウスビルダー様では、住宅建設のプロセスが円滑に機能していないことが原因のひとつと言えるでしょう。
そうした状況を解消するのに効果的なのが、プロセス全体で共通するデータを用い、関係者全てが理解しやすい「設計・作図ルール」を策定することです。
今回はそれがどのようなものなのかご紹介します。

建設プロセスは、「設計」「積算」「施工」の三つの部門が連携することで進行しますが、これらの連携が取れていないことから、それぞれの業務にムリ・ムダ・ムラが発生し、事業全体の生産性を低下させることがあります。

では、具体的にはどのようなことが起こっているのでしょうか。
以下で、それぞれの業務で発生している問題点を簡単に整理してみます。

設計業務がプロセスの起点

設計部門

設計業務は、建設プロセスにおける起点です。そして、その業務は社内で業務の全てを完結する「内製」、社外の専門業者業務の一部を依頼する「外注」という、大きく二つのスタイルがあります。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

内製
メリット
  • 業務品質の管理がしやすい
  • ミスの修正など社内で小回り良く対応でき・混乱が少ない
デメリット​
  • 固定費をはじめとするコストの増大
  • 新規スタッフの採用・教育にコストと時間がかかる
外注​
メリット
  • 人件費を中心とする固定費の削減
  • 社内スタッフに業務上のゆとりを生み出す
  • その結果、本来重視すべき業務に集中しやすくなる
デメリット​
  • 業務品質の管理や安定化が難しい
  • 社内スタッフの設計スキルが上がらない

内製・外注のいずれにせよ、設計業務にデメリット部分が強く顕在化すると、設計図書や積算データに不備が多くなり、後工程の業務に混乱を生じさせることがあります。
中でも急激な事業規模拡大により、設計業務の外注先ネットワークも拡大しなければならないハウスビルダー様の場合、特にその傾向が強いようです。​​

積算部門

積算部門では、1棟を建設するのに必要とされる部材の種類や点数などを積み上げ、実行予算を作成しますが、設計部門が作成するデータがルールと明確性を欠いたものであれば、積算の精度も同様に低くなってしまいます。

精度の低い積算とは例えば材料に過不足あること。これにより大工・職人がスムーズに作業を行えなくなることから、想定される施工関係者の数や施工日数が増え、廃棄物も増加してしまいます。

部材の選定ミスも積算の精度の低さの一事例。気付かずに引き渡しをした場合、お客様との契約不履行となり、最悪の場合は法的要件の未達になってしまう可能性もあります。
そうならないためにデータの修正が必要になるわけですが、修正作業は積算業務の効率を悪化させます。

以上のようなことは、全社の共通認識がない状態で作成されたデータであることから引き起こされることなのです。
これが常態化するとハウスビルダー様は実行予算を立てづらくなり、会社全体の業務の停滞を引き起こしかねません。

施工部門

設計図書のデータ不備は施工部門にも様々な影響を及ぼします。代表的なものとしては、部材の設置箇所間違い、注意事項の抜け落ち、設計変更の反映ミスなどがあり、そうした場合は施工部門から設計部門への確認が必要になり、時間のムダが生じます。
また、施工現場には様々な職種の人たちが出入りをしていますが、各人が必要とする情報がどこに記載されているのかが分かりづらいといった戸惑いが生まれ、スムーズな作業の妨げになることがあります。

社内・外注先も含めデータを標準化

上記のような問題を抱えながら施工を続けると、大工・職人の作業に弊害が生じてしまいます。例えば、確認がおろそかになりそれが施工ミスというかたちで表れることもあり、そうなれば補修工事が増える懸念があります。

以上のような問題は、建設プロセスに関わる人員のモチベーション低下を招きます。それがさらなる生産性、収益性の悪化につながるという悪循環を招くことがあるため、できるだけ早急に改善を行うべきと考えられます。

では、どのような改善策があるのでしょうか。
それはハウスビルダー様の全社、中でも建設プロセス全体で統一性がある設計・作図ルールを策定することです。その中で中核となるのが、外注事業者も含めたプロセス全体でCADデータを統一することです。そうすることで、同じマスタデータで図面を作成することができます。

これにより、積算部門の業務は確認作業や誤りが減り、更には図面データを利用した積算システムの構築までが可能となり、業務の効率化とより精度の高い実行予算の作成も可能となります。

施工部門においては、設計データや指示がリアルタイムで反映されることに加え、大工・職人の仕事内容に対応した図面の作成が可能。これにより、施工の迷いや確認ミスの防止ができ、それぞれが仕事をしやすい環境づくりを目指すことができます。

ことのようなことから、全体で共通するデータを用い関係者全てが理解しやすい「設計・作図ルール」を策定することは、住宅建設のプロセスが円滑に機能する上で重要な作業と言えるでしょう。